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| Q1 | 変状の調査で第三期層における凝灰岩、凝灰質泥岩、凝灰質砂岩の一般的は膨張圧と膨張率の数値が必要なのですが、これらの数値が記載されている、文献等があればご紹介いただけないでしょうか。よろしく、お願いいたします。 |
| A1 | “岩盤の膨張”に対してのご質問でしたが、膨張の定義がはっきりとしません。 岩盤が何等かの変形をする時、これには“熱的条件の変化”によるもの、“地下水条件の変化”によるもの、“荷重条件の変化”によるものがあります。 岩盤は“土木地質ノート”にも述べていますように、岩石の部分と割れ目の部分の複合体です。 そうして“熱”、“水”、“力”いずれの変化の場合でも岩石自体の変形、割れ目部分の変形の組合わさった現象として現れます。 どのような主旨でのおたずねか分かりませんが、土木的に見る限り土木工事による“熱的条件の変化“による問題はわずかであり、大部分は“荷重条件変化”(特に除荷による切土面の押し出しと割れ目のゆるみ)、およびこれに付随する“地下水条件の変化”(地下水の流入または排出)に由来する問題が大部分です。 荷重条件の変化については、“土木地質ノート“の2章10項“岩盤の変化はどの様に評価されるか”にも書いていますように、岩盤の変形を支配するのもとして 1)割れ目の開口度と接触面積 2)割れ目の粗さ(凹凸の度合い) 3)凹凸部の強度と変形性 4)挟雑部が存在する時はそのタイプと物性 が挙げられます。 ここで岩石自体の物性によるものは、3)の凹凸部の強度と変形性でですが、これが岩盤全体の変形に占める割合は極わずかなものであり、変形の多くは岩石自体の変形よりも割れ目部分の変形がはるかに支配的に働きます。 岩石自体の熱膨張や水による膨潤性に関しては多くの文献が有りますが、荷重条件の変化や地下水条件の変化を含め上記1)2)3)4)を統合的に扱った文献は多くありません(まだ研究途上の分野と云えるでしょう。) 岩種ごとに膨張圧、膨張率を一覧表的に記載した文献等はないと思われます。 要領良くまとめたものとしては ・N.R.Barton et. "Fundamentals of Rock Joint Deformation" Int.J.Rock Mech.Vol.20,No.6,1983 ・N.R.Barton"Deformation phenomena in jointed rock" Geotechnique 36,No.2,1986 が有り、これらを紹介した ・伊藤淳“ノルウェートンネル工法(NMT)の概要”トンネルと地下、10月号、11月号、12月号、(1995) が有りますので参考にしてください。 いずれにしましても岩盤の膨張(押し出し)は、荷重の除去に伴う盤膨れとして現れる事が多く、膨張圧も前述の文献による変形係数で割り出された変形数量を拘束した結果として測定されますが、反力条件、岩盤(あるいは岩石)の強度等とも関係するため事前の予測は困難です。 |
| Q2 | コンクリート構造物 湾岸のコンクリート橋脚改修のためコンクリートを流し込んで補修を行うのですがその際に空洞のみを探知したい。 鉄筋 配線があるとその奥に空洞があった場合検査できないのではと思います。 解決案があれば教えてください。 |
| A2 | 鉄筋コンクリート構造物における空洞化調査について 貴殿からの質問に対し解決案には成りませんが、既往業務実績とその際の適用条件に基づき、お答えいたします。 当社でも構造物周りの空洞化を探知する業務が頻繁に発生しておりますが、確かに鉄筋、配線の配置間隔が小さいときは、空洞化探査は出来ません。 これは電磁波が金属に吸収され、反射波として戻らない事が原因です。 ただし、これまでの経験では、 ・鉄筋間隔が15p以上で有れば可能です。 ・探査面から深さ70〜80p以浅の部分に対し、配筋状況、コンクリート厚さ、空洞上面の位置が推定可能です。 ・ただし、空洞からの反射が検出された代表断面での確認ボーリングは必要です。 ・以上の手法は900Mhzあるいは500Mhzの地下レーダーアンテナ使用です。 |
| Q3 | CBR値とK値の関係について教えて下さい。 舗装試験法便覧に少し記載してあるのですが、CBR値に対してK値の単位がkgf/p²となっているのですが、これは支持力係数ではなく荷重強さの事ですか? 単純に単位が間違っているのでしょうか? 2つの値の相関式があれば教えてください。 |
| A3 | CBR値とK値の関連についてお答え致します。 ・舗装試験法便覧に記載されている支持力係数K75(kgf/p²)は単位が間違っていると思います。(kgf/p³)が正しいです。 ・K値とは通常、地盤反力係数(kgf/p³)として示されますが、30p載荷版を利用した平板載荷試験による地盤反力係数を地盤面の支持力係数K30として示されます。同様に75p板の場合はK75と呼びます。 ・CBRとK30あるいはK75との相関は、色々な関連式が提案されています。 いくつかご紹介いたしますが、詳しくは「(社)地盤工学会による地盤調査法」をご覧下さい。 K75=9.8(CBR/4+1)MN/m³(CBR値は現場CBR) K30=9.8(log10CBR+0.192)/0.115MN/m³(CBR値は室内CBR)(CBR値5%以下の場合) 舗装試験法便覧に記載されている図1.4.7は、空港関連のコンクリート舗装の場合が示されています。貴殿が道路の路床におけるCBR値として利用する場合は、先に示した「(社)地盤工学会による地盤調査法を参考にしてはいかがでしょうか。 |
| Q4 | Malpassetダムの崩壊はどうすれば防げたのですか? |
| A4 | マルパッセの崩壊については、ダム崩壊調査委員会の報告を受けて、Dr.
Charles Jaegerによる“マルパッセ報告”(北原義浩訳 発電水力 65 1963 )に要領よくまとめられています。 この文によりますと、ダムの崩壊は左岸アバット部の岩盤崩壊から生じていますが、これを誘発した割れ目(シーム)いわゆる断層のように広い面積に渉って広がっていたものではなく、局所的に連続していたいくつかの弱面であったようです。(この点は“ダム技術”No.89 (1994) の記載と少し違います) ダム崩壊後の形態や写真などを見ても、Jaeger の云っていることが正しいようですが、このようなシームであった場合、崩壊を予測したり、防いだりすることはほとんど不可能でしょう。 当時、掘削面での岩盤観察やスケッチがどのようなものであったか知れませんが、よほどの熟達した経験者で無い限りこれを見分け的確に判断することは難しく、またある程度的確な判断ができたとしても、岩盤面を出してしまった施工途中で工種や工法の変更は難しかったと思われます。 ただひとつ可能であったとしたら、調査段階で岩盤の悪さに気付き、早めに他のタイプのダムに変更するか、アーチ厚さや着岩形式を変更する事で対応することであったと思います。(岩盤の静弾性係数が数1000kg/p²数10000kg/p²オーダーで、絹雲母を含む変成岩であることを見ると決して薄肉のアーチダムに適したダムサイトとは思われず、現在の日本の技術では考えられないことです) 現場も見たことが無く、資料も乏しいのでこの程度のことしか分かりません。あしからず。 なを、ダム技術の関係分を添付します。参考になれば幸いです。 PDF |
| Q5 | VAJONT DAMをあの場所に設置しないためには、事前にどのような調査をしておけば、あの場所にダムを造らない選択を取れたのでしょうか? tetonダム、バイオントダムがなぜ崩壊したのか、どのような調査、試験を行っていればこのような事は起こらなかったのか、また、そのことが今にどう生かされているのか教えてください。 |
| A5 | ヴァイオントダム、テートンダムの事故に関する事前調査の資料はなかなか入手できません。 我々が得ることのできる資料は大部分事故調査委員会などでまとめたものであり、このような報告書には、生の資料は入っていません。 まして事前にどのような調査がされていたかは、我々も最も知りたいところですが、公表されたものを見ることは殆ど不可能です。 そのような訳で残念ながら期待に添えるようなお答えはできません。悪しからず。 事故後の対応については、いろいろと有りますが第一には“まえがき”でも述べていますように、マルパッセダム、ヴァイオントダムの事故を契機にいわゆる“岩盤工学・岩盤力学”と言う学問が進んだことです。 マルパッセ(1559年)、ヴァイオント(1963年)の事故直後の1964年には国際岩の力学会(ISRM)が設立され、また国際大ダム会議の中にも国際関係委員会の中に岩盤技術問題の分科会が作られ積極的に岩盤問題が検討されました。 このような中からISRMは1966年にポルトガルのリスボンで第1回の国際会議を開催し、これが現代的な岩盤工学の発祥となっています。 それまでは岩盤は構造物の基礎として構造物よりはるかに大きな強度を持ち、はるかに大きく分布していることが暗黙の了解でもあったものが、これらの事故を契機に岩盤もまた構造物と同格の構造地盤として解析の対象とみなされる様になりました。 このため、岩盤を可能なかぎり数値化して捕らえる必要性も高まり、現在なにげなく用いているルジオン値、RQD、岩盤セン断試験などもこの頃から実務的に用いられるようになったものです。 テートンダムは1976年6月(竣工の翌年)に右岸の取り付け部の漏水がもとでダム本体が決壊、流失しました。 このダムはマルパッセダム、ヴァイオントダム(ともにコンクリートダム)とは異なりフィルタイプダムといって岩塊と土で出来ているダムです。 このため決壊の原因は山の崩れではなく、地山の割れ目からの多量の出水が引き金となって、ダム本体が流されたものとされています。 したがってこの事故の場合は地山の強度的な問題よりむしろ透水性の問題がクローズアップされ基礎処理のありかたや方法を見直すきっかけとなりました。 これを機に日本でもダム設計基準の基礎処理方法や監査廊(ダム下にあってダムの維持点検に用いる施設)の在り方が見直されています。 ヴァイオントダムをあの場所に設置しないための事前調査については、現地を見ていないので何とも云えませんが、基本的には本来的な地質調査を緻密に行うしか方法が無いでしょう。ヴァイオントダムのように山全体が滑り落ちてくるような現象に、ダムサイトでの工事目的のボーリング調査や試掘横坑調査は無力です。 反面、この様な非常に大規模な滑りに対してのダム構築による条件変化の割合は微々たるものです。 このようなわずかな条件の変化で滑動が生じたのは、既に事前に地山は変化あるいは降伏(大規模クリープ)などの状態にあったことが推察されます。 山は単純にその箇所だけがこの様な条件となることは稀で、その周辺の似たような条件の山では同様の現象が生じていることが予想されます。 航空写真による地形解析を始め、丹念な純地質学的な調査でこの様な現象を検討することが望まれます。 この結果、もし何か疑わしい兆候があったならば“君子あやふきに近寄らず”とすべきでしょう。 |